カッパ「おいしそうな魚じゃのう。」
娘「どうしたん? カッパのじいちゃん。」
カッパ「ここ何日も何も食べとらん。」
カッパ「腹ぺこじゃ。」
娘「じゃあ、魚あげようか。」
カッパ「ほんまに!  ええんかあ〜。」
カッパ「ありがとう。」
カッパ「おいしいの。」

娘は、毎日、年老いたカッパに魚をわけてあげました。
カッパ「あんたは、ほんまにやさしい子じゃ。」
カッパ「年老いたわしにも毎日魚をくれるけんのう。」
娘「気にせんといて。」
カッパ「娘さんや、ほんまにありがとう。」
カッパ「もう年じゃけん、死んだら、江川の渕を掘って埋めてくれんかのう。」
娘「ほんなん言わんと長生きしてな。」